土塁石垣 | |
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関東地方の中世戦国期城郭では、土手のように土で築く土塁が殆どだが、
金山城の土塁は石垣で造られているのが特徴。
三ノ丸から壇状に延びた土塁石垣は、大手通路まで
せまり、その裏側に北側へ折れ曲がった通路を形作っている
(北通路)。この土塁石垣では、調査の結果、5回にわたる
改修の跡が見つかった為、石垣の一部は6回の構造の変遷を示す
遺構としてそのままの姿で残した。
なぜこれほど頻繁な改修が行われたかについては、解明されてないことも
あるが、周りから流れ込む雨水や浸透水、石積みの技術的な問題が
考えられる。改修が行われるたびに、通路幅、石材の大きさ、
土塁石垣の幅を変えるなどの工夫をしていたが、3度目の改修の時には
石垣の足元の石を石垣面より少し前面に出して据える(アゴ止め石)
技法で崩落を防ごうとしていた事が確認された。
同じく、南通路の虎口でも2回の改修が行われ、位置を変えた
水路跡や通路面が発見された。(↓下の写真)
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大手虎口南上段曲輪 | |
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大手虎口南上段曲輪からは、石敷きされた建物の基礎やカマド、 井戸址が見つかった。 大手虎口を守った兵達の、生活の匂いが感じられる曲輪。 建物は、基礎が石敷きされており、この石敷き基礎には、 幅約25〜30cmの溝が碁盤の目のように見られた。 これは、建物の柱や床板を支える為の「大曳き」や「根太木」 等を置く溝で、建物の基礎が石敷きされているのは、湿気を 防ぐ為だったと考えられる。建物の東脇からはカマドが見つかり、 この事から、建物は火薬などを備蓄した「武器庫」を兼ねた 「兵の詰め所」だったと考えられる。 整備では、石敷きされた基礎の 一部が見学できるように、「遺構展示施設」として建物を造った。 井戸址には、一辺1.5m、深さ約3mで石組みされていた。 石組みの下部には、マツ材でできた井戸枠がそのまま残っている。 また、大手虎口南上段曲輪の石敷き建物址の西脇は、古い時期に 通路であった事も分かった。この古い時期の通路は、スロープ状に 北から南へ上っていた。しかし、最終的には埋め戻され、通路開口部は 石垣によってふさがれていた。 |
建物基礎の様子(模式図) | 大手虎口上段南曲輪の石垣 | 大手虎口上段南曲輪 |
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大手虎口上段南曲輪のカマド | 遺構展示施設 | 日の池へ |
日ノ池 | |
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日ノ池は、15m×16.5mのほぼ円形の池。
発掘調査によって、石垣や石敷、2箇所の石組み井戸、石階段等が発見された。
さらに石敷の下からは、日ノ池へ通じる通路跡や改修工事が行われた跡、
また、谷をせき止め、斜面からの流水や湧水を貯める構造になっている事も
わかった。これらの調査の結果を元に、往時の姿を可能な限り再現している。
石垣や石敷は出来る限り当時のままで残した。
日ノ池は、山の上では稀な大池であり、金山城における象徴的な 場所の1つ。 ここは、単に生活用水を確保した場所ではなく、 戦勝や雨乞等の祈願を行った儀式の場所であったと考えられる。 また、水の信仰と関わる平安時代の遺物も発見されており、 日ノ池が立地する場所は、築城以前から神聖な場所であったようだ。 |
日ノ池を南曲輪方面へ見る | 南曲輪 |
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南曲輪からの景色 | |
南曲輪 | 中島知久平先生像 | |
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地形模型 | ||
旗 (旗を持って、嬉しそう〜↓) | ||
御台所跡 | 大欅 | |
本丸跡 | ||
■本城■ 金山城の中枢で、水ノ手郭を中心として約1万坪ある。 実城とも言い城主の御殿があった所なので、城主を実城殿とも 呼んだ。御殿の礎石は、大欅の南方平地に列石状に 出土した。主要郭は六ヶ所、腰郭は三ヶ所、武者造り、 堀切は壕内道を兼ねている。本城内に於て、実城、 内方、小座、旦那、御入、局等の名称が見られる。 | ||
天主曲輪 | ||
本城最高位の郭で、戦前、本丸と言われた所である。 西北の角には、金山城最大の石垣が使用されており、 角矢倉形式の大建造物があった。この郭は、金山城鎮護の 神聖な地域であり、源氏の守り神である八幡宮が 祭られていた。このため、水ノ手郭の貯水池は、 「神水」と呼ばれていた。 廃城後は、新田義貞を祀る新田祠と言う小さな石宮があった。 構造上の特徴としては、東北の角を削って「ひづみ」 を作り、「鬼門除」がある。 | ||
本丸と二の丸の間 | 二の丸 | 本丸 |
金山城石垣(残存石垣)…2枚目は石垣上方を見る。 | ||
金山城は、全域を石垣で築かれた関東地方では珍しい城。 石垣用材は、金山石が手近にあるので使用したものであるが、 大きな石は、柱状節理の山麓の根石を山頂、山腹まで持ち上げた 大工事である。積み方は「野面積」で長い石の大きい面を奥に、 小さい面を表にしてある為、別名、「ゴボウ積」とも言われる。 断面は、直線的で、緩傾斜し、栗石を充分使用している為に堅固である。 | ||
本丸を見上げる | 大手虎口附近の石垣(門跡?) | |
本城大手口 | ||
大手道を登りつめ、本城に達した谷間に、地形を利用して桝形が造られている。
北・西・東を高い石垣で囲まれ、内に番所を構え大手道は
鍵ノ手に曲がって城内に入る。桝形に進入した敵は
三方より攻撃される。
「登り口」と書かれているけど、登るには厳しい気が(^^;) 左下写真参照。 |
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■金山城
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